ストレス障害について「症状・治療方法・チェックリスト」

ストレス障害について

人の脳はあらゆるストレス刺激(ストレッサー)に対して反応します。

大半のストレス反応は一時的なものですが、そのストレスの強度が圧倒的に大きかったり、長時間ストレスに晒されたりすると非可逆的になり、ストレス障害として様々な症状が出現するようになります。

ストレス障害は正しい対処を行わないと長期化する恐れもあります。

医療法人社団YKM 横浜港北メンタルクリニックはストレス障害に特化した心療内科です。ストレスの初期症状の指標とストレス障害チェックリストを下記に掲載しました。

※掲載している症例は一般例を掲載しています。発症・症状等に関しては個人差がありますので、気になる方はご自分で判断なさらずに医療機関の受診をおすすめします。

ストレス障害「ローリスクストレッサーとハイリスクストレッサー」の違いについて

ハイリスクストレッサーとは生命の危機に及ぶようなストレスで「交通外傷」「航空機事故」「拉致監禁」等のストレスが該当します。

一方、ローリスクストレッサーとは日常生活の中で遭遇する可能性の高いもので「育児ストレス」「パワーハラスメント」「モラルハラスメント」「不当な評価」「他者との人間関係の悪化」等が該当します。

そのため私たちが受けるストレスの大半はローリスクストレッサーと言えます。

ストレス障害と適応障害の違いについて

適応障害は基本的にはストレス障害の一部と言ってよいと思いますが、職務等に不適応を起こした者に生じる障害で、その原因となるストレス要因が生じた後1か月以内に発症し、持続期間は6か月を超えないものとされています。

一方、ストレス障害という診断名は正式にはありません。(ICD-10等の国際分類や保険病名にもありません) 通常、外来場面で使用される「外来病名」の範疇に入るべきものになります。

しかし精神科の診療場面において最も多数を占める病状は、ストレス障害であることに間違いありません。

ストレス障害の環境的要因と性格的要因の違い・対処法について

ストレスに対する耐性は人によって異なります。性格的要因の観点から見ると、気分転換や遊びが上手く出来ない人、自己否定感の強い人、気持ちの切り替えが苦手な人、対人構築が苦手な人は一般的にストレス耐性が弱いかもしれません。

ストレスが生じる環境的要因の問題に関しては、「その事態をどのように対処すべきかという問題」と「ストレス症状をいかにコントロールするかという問題」は分けて考えなくていけないと考えます。

例えば、上司からのパワハラが続いているような状況の解消は、人事調整を行うか、休職をとるか、転職する等の対応になります。

ストレス症状のコントロールに関してはおおまかに以下の3点にまとめられます。

1.自分ですべきこと
・プラス刺激・ポジティブな刺激(楽しい・面白い・美味しい等)を取り入れる
・ストレスの要因となっている刺激以外の刺激を多く取り入れること(自然と触れ合う・読書をする・友人と会話する等)

2.行ってはならないこと
・だらだら横になって休むこと
・自己否定や反省・後悔をすること

3.医療機関(心療内科)等での診察・処方薬での対処
・医療機関(心療内科)等の診察・診断
・ストレス障害のケースは薬物療法による対処が極めて効果的な事例が多いです。

自分で気づきやすいストレス反応の初期症状について

ストレスを受けた時、自覚的に気づきやすい症状や兆候にはどのようなものがあるでしょうか。次に述べる陳述はストレスを受けた方々の実体験です。

「あなたは勤務していて、どのような時に自分はストレスを受けていると感じますか?」彼らからは次のような答えが返ってきました。

・隣の芝が青く見える時(他の者は楽をしているのではと疑心が生じる)
・作業効率が低下した時
・些細なミスを繰り返す時
・イライラする時
・文句が多くなったと自覚した時
・注意散漫になった時
・口数が少なくなった時
・笑顔が出なくなった時
・冗談が出なくなった時
・物忘れが多くなった時

ストレスが加わった時に感じる症状は、ストレスにより引き起こされた感情の変化と集中力の低下です。この範囲の状態はストレスが加わった時の通常の反応といえます。

この段階ではまだ障害には至っていませんが、ストレス障害が発症すると情動面の自己コントロールが不能となり、様々な症状が一挙に噴出しますから、想像以上に辛い体験です。

ストレス障害チェックリスト

ストレス障害に至った時(要治療)とはどのような状態でしょうか?ストレス症状のチェックリストは市販のテストや、ネット等でよく見かけます。

ほぼすべてのチェックリストは以下のような症状を10-50項目程度記載しその程度を3-4段階程度に自己判断する自己表記型のリストです。

1.頭がすっきりしない
2.めまいを感じることがある
3.耳なりがすることがある
4.食べ物が胃にもたれる
5.なかなか疲れがとれない・・等

ここで注意をしなくてはならない点があるように思います。これらの症状はストレス反応に伴う症状ですからある意味「ストレスがかかった時に起きる通常の反応」という点です。

本来疾病の診断を行う時には「有ってはならない所見があるか?」という点に着目します。例えば血圧が150<、血糖値が110/dl<、エックス線写真での異常陰影等です。

これらの所見があると明らかに異常です。私たちは毎日ストレスを受けて生活している訳ですから、ストレスチェックを行う場合に質問項目を多くすればするだけどれかは該当する項目が出てきます。

ストレス症状の有無に注目すると結局結果を見ても「だからどうしろというの?」という感想を持つことになります。ストレス障害の治療はストレスの原因を取り去ることではありません。あくまでそのストレスに過剰に反応した状態を緩和・コントロールすることです。

ではストレス症状を診断する時に何を基準にしたらいいのか?これは意外に難しい問題です。ストレスチェックを受けて何が知りたいのか?何が判明するのか?というポイントが重要だと思います。

「治療の必要性の有無」という観点から次のような基準を想定してみました。これらの基準で問題がある場合は「要治療」「要指導」ということです。

Q1.生活上しなくてはならないことがストレスにより阻害されているか?

ストレスが強く加わると生活上必要な行動が制限されることになります。この項目は通常の社会生活を送れていない状態ですから最も重要だと思います。

・出勤出来ない
・電車に乗れない
・人とコミュニケーションが取れない
・家事や育児が出来ない
・子供にやさしく出来ない

例えば上記の場合、こうした状態は生活上大きな不利益を被ることとなり治療や指導が必要でしょう。

Q2.自分の努力でその症状が克服出来ない状態か?(解決策が見いだせない状態か)

ストレスに伴う症状の大半は時間とともに解消するのですが、障害の程度によっては自己コントロールが効かなくなり症状が固定し、自分の努力で回復・対処出来なくなることがあります。つまり「自分が何かをしようとしてもどうしてもそのことが出来ない状態」です。例えば次のような状態があります。

・感情のコントロールが効かない(主として些細なことでイライラする、涙が止まらないといった状態)
・嫌なこと、不安なこと、恐怖心、怒り感情、悲しみが頭からぬぐえない
・いくら休んでも疲労が回復しない
・睡眠がとれない
・物事に集中出来ない

Q3.ストレスに対して適正な対応がとれているか?

ストレスが加わると思考パターンや、行動パターンが変化します。そのため従来であれば対応出来たストレスにも対応出来なくなるのです。特にストレスに対して回避・逃避的な行動や思考になると次のような状態になります。この場合は適正な指導を受け、生活スタイルを変える必要があると思います。

・遊べなくなった
・生活が楽しくなくなった
・何かしようとしても億劫になった

Q4.身体的疾病の悪化に関連しているか?

ストレスは既存身体疾患を悪化させ、心身症のような疾病を引き起こします。身体の疾病を患い、かかりつけの病院でストレスがその原因であることが指摘された場合はストレスに対する適切な治療や指導が必要となるでしょう。

Q5 あなたは今幸せですか?

ここで興味深い研究を紹介しましょう。100人の人に「あなたは今幸せですか?」という問いを投げかけると、何人の人が「ハイ」と答えられるだろうかというものです。これは米軍の研究で、自己申告の幸福度の高さが優れた戦闘集団の際立った特徴であることが示されたのです。つまり、個人の幸福度は明らかに、切迫した戦闘ストレスに直面するあらゆる兵士にとっても重要な要素となるというのです。

私たちの人生において「幸福な生活」ということは大きな目標の一つに違いありません。

逆に言うならストレスに苦しんでいる人に「あなたは今幸せですか?」の質問をした場合「YES」と返答する人はいないはずです。ここで最後のQです。この答えが「YES」の人は全く心配がありません。


以上は「ストレスのはなし」 横浜港北メンタルクリニック理事長 福間詳著・中公新書
から一部引用しています

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